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風猫通り三番地ニノ二十三

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路地裏っぽい人が屋根の間の空を見上げる場所。

東方緋想天のBGMが大好きだ。

 緋想天の曲が良い。具体的にはあきやまうに(U2)氏のBGMが最高である。萃夢想で評判の良い「砕月」を聴いた頃から只者ではないと思っていたが、今回のBGMはさらにパワーアップしていて感動ものだ。僕が注目するのは以下の点。

1.主題を外さない
2.ZUN氏の世界観に寄り添う
3.あくまでもゲームBGMである

1.に関しては萃夢想でもそうだったが、オープニングの「萃夢想」からエンディングの「東方萃夢想」まで同一の主題が編曲され使われている。今回もその手法が使われ、さらに徹底されている(ほとんどの曲でその主題が使われている)。でもその繰り返しが「緋想天」という世界を如実に表しているのは明白だ。特に、ラスボスいっこ手前の会話BGM「雲外蒼天」が、萃夢想でいうところの「戦迅」と同じタイプの高揚する曲なのに対して、ラスボスの会話BGM「天衣無縫」が、いままで繰り返されたテーマを昇華した上ですべてを空へ返す開放感に溢れているのがとても心地よい。それも、BGMの出だしのメインがブラス、中盤のラインがピアノという、ZUN氏の曲の特色を完全に踏襲した作りになっているのだから泣かせる。で、エンディングテーマでとどめ。このように一貫した主題が最後までゲームのイメージを貫き、ゲーム全体を昇華していると思うのだ。同じ主題が二度三度繰り返されれば嫌なくどさを感じてもおかしくないと思うのだが、場面に応じて手管を変えてアレンジしてあってそれもあまり感じない。お見事としか言いようがない。
 一つ言っておきたいのが、本家では聴かない弦楽器の使い方。前作でもそうだったが、この流れるような調べが「黄昏フロンティアの幻想郷」を強く主張している気がして面白い。今回エンディングにクレジットされた奏者さんを含め、その強い意志に拍手。

2.は、これが黄昏フロンティアさんのゲームでありながら、ZUN氏の世界観をお客様として大切にしている感じが伺えると思うからだ。先ほど挙げた「天衣無縫」が流れるシーンを想起して欲しい。前作の萃夢想では、曲コメントであきやま氏が書かれている通り、「砕月」とその後の「御伽の国の鬼ヶ島」で少々雰囲気が繋がらない感があった。今回はそれを反省したのか、上記のようにZUN氏レスペクトを遵守しつつも独自の雰囲気を生み出している。確認は出来ないけれど、今回はZUN氏の「有頂天変」を確認吟味した後で「天衣無縫」を作ったのではないか。そんな気がしている。振り返れば、総本山のBGMに会話のためのBGMというのはさほど多くない(花映塚に二曲ほどあるが、それ以外だと旧作等を探さなければならないだろう)。はっきりいって、霊夢等のキャラの立ち絵が出て会話をしていれば普通の受け手であればそこまでBGMに気を遣わないだろう。そこを踏み込んで毎回創作で東方世界を広げようとする黄昏さんの踏み込み方は良いと思う。今回はついにVSシーンの曲もオリジナルになったが、個人的には既存の東方曲のアレンジよりも好きだ。ある意味誤解を恐れずに言えば、曲の内容という次元ではないところでアレンジはオリジナルを超えられない。緋想天のために書き下ろされた曲はそこで独自の輝きを放つだろう。まごうことなき東方世界の一部として、ずっと。それもこれもZUN氏の世界への尊敬(それを元にした挑戦)無くしてはありえないものだ。

3.について。格闘ゲームを昔からやっている人は同感してくれるのではないかと思うのだけれど、同じ場面で同じ曲ばかり聴いて対戦しているとかなり飽きてくるのが普通だと思う。ただ、曲の流れに沿ってテンポをつかむSTGなどと違い、格ゲーにとってのBGMはより添え物的になる(ゲーム感覚的にいえばBGMよりも当たった感触を確かめるためのSEの方が重要なのではないかと思う)。重要でないという訳では勿論無く、控えめでありながらそこにずっと居て欲しいという微妙なニュアンスだ。例えば、サムスピに三味線だけの曲がある(橘右京のBGMだった筈)。GMとしては異質であり冒険だったと思うのだけど、ゲーム的にはかなり効果的だった。そこになくてはならない存在になるということ。振り返って緋想天では、ストーリーから解き放たれたゲームが対戦ツールになるとき、それは真剣な遊び=弾幕ごっこという東方本来の姿の一つを取り戻す。ここで緋想天オリジナルの曲に加え、過去の東方ミュージックから過不足無い(主張しすぎない、でも過去作をありありと想起させる)アレンジ曲が繰り出されれば、対戦者としても意気揚々と遊び奉ることが出来るだろう。この辺りのバランス感覚がいい。勿論アリスの曲にある遊び心、萃香の曲にあるサービス精神などにはニヤリとさせられる。追記すれば、アレンジの中では個人的に小町の曲が大好きである。今はもう懐かしい名作アレンジCD「Cradle」のルーネイトエルフのアレンジを想起させる、大河の流れと陽気な死神を思わせる名アレンジである。

 音楽に関してど素人のために安直な感想になってしまったけれど、以上が現時点での緋想天のBGMに思うことなのである。書き残したこともあるがこの辺で。本稿ではZUN氏の曲について語っていないけれど、ある意味で東方ProjectにZUN氏の曲が流れることは人間が呼吸をし、霊夢が空を飛ぶのと同じくらい当たり前のことなので(笑)。僕としては、黄昏フロンティアだけでなく、「東方を意識したオリジナル楽曲」を生み出してくれる音楽サークルさんがたくさん出てくれることを願っている。自分の意志と視点で幻想郷をもっと広げて欲しい。また、もしそういうのを知ってる人がいればまた、教えてくれれば嬉しいかなと。いろいろ難しいだろうけど。で、ゆくゆくはそのサークルさんたちの曲を使ってZUN氏がSTG作ったら面白いと思うんだけど。勿論ZUN氏の曲があきたとかどうこうということではなくて(そもそもZUN氏の曲を聴かなければこれほど音楽についてどうこう考えることは無かったわけだし)、たとえ他人が作った物でもZUN氏が選べばそれが(そこが)東方に、幻想郷になるんじゃないかという気がしているので。特に最近。もしかしたらそれが、けっこういろいろ健全なことなんじゃないのかなぁ。




BGM 
黄昏フロンティア&上海アリス幻樂団/東方緋想天~Scarlet Weather Rhapsody.

このゲーム、しこたまサイキックフォースをやりこんだ自分にとって
あれこれ感涙なんだなぁこれが。あとサイバーボッツとかも。
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by kazasiro | 2008-06-11 21:14 | 東方Project