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風猫通り三番地ニノ二十三

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路地裏っぽい人が屋根の間の空を見上げる場所。

APPLESEED SAGA EXMACHINA

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 木曜日の話だけど観てきたよ。(真っ黒い物体はパンフレットね)

 感想はすんごい金の掛かったOVAという感じ。
 最近じゃOVAなんてほとんど無いから若い人には分からないかもしれんけど、一昔前のOVAはTVアニメに比べて「小さなシリーズ・高い価格・一定以上のクオリティ」という商品としての大体の区分けがあった。少なくとも絵に関しては、投資しただけの価値があるべきと思われていた。酷いのも当然あったけどね。
 で、画のクオリティを保証する代わりに多くの場合で犠牲になったのがストーリー展開。何しろ長いシリーズで三十分×6本、短いのだと2話や三十分単品なんていうのがあるから、どうやったって物語はダイジェストにしかならない。もちろんそれを逆手に取ったストーリーを作っているものもあるけれど、OVAを買う≒「動き(セル枚数)を買う」だったといっても過言ではないだろう。買った人間は作品がいまいちだった場合でも投資を回収するべく、なんども見直しては「これはこれであり」と一人呟かなければならなかった。懐かしい話だ。
 映画も時間の都合上、ストーリーの緻密さに関してはOVAとさほど変わらないが、クオリティはOVAの比にならないし(これまたそうでない困った作品も多いのだが)、なにより映画という興行になると、フォーマットに対して求められるアウトプットが変わってくる。制作側も肩の力が入るんじゃないかな。下世話な話だけれど、映画だったらやれ芸術だの時代性だの言われるのに対して、OVAはあくまでもニッチを狙った消費物だったということなのだろう。
 深夜アニメによってOVAが意味を成さなくなり、昨今ではYoutubeやニコ動などの天敵の出現により、ビックリ箱に対する投棄という意味でのOVAはその役割を終えた。でも、OVA時代に培われたOVA作品の構成術は生き残っているかもしれないなぁと、この映画を観て思ったわけですよ。悪い意味で。監督やスタッフの一部が、それこそ90年代ぐらいにOVAで活躍してた人たちだからかな。

 僕は原作は10年前に読んだきりでほとんど覚えていないし、前作の映画も観ていないので少々不安だったんだけど、そんな必要全くなし。話も全く難解じゃない。昨今のハリウッド映画だってもう少し入り組んだ構成にすると思う。あんまり観てないけど。そう、そのハリウッド的な分かりやすい構成(なにしろこの映画のプローデュサーはジョン・”二丁拳銃”ウーなんだしね)を狙ったとしてもかなり大味なんだな。この辺がOVA的と感じるところなんだろう。まぁイノセンスみたいにしろとは言わないけど、娯楽映画は娯楽映画なりに詰めるところは詰めるべきだと思う。
 そういうわけで、脚本が駄目な分?映像はすごい。人形っぽくはあるけど作り込まれている(ただ、主人公達とモブのモデリングに差が有りすぎて興ざめというシーンは幾度と無くあった)。戦闘もスピード感があって、ガワが変わっても日本のアニメだなぁと。ジョンウーへのオマージュ(セルフパロ?)みたいなのも笑える。ただ、ラストの一個手前のロボバトル!あれだけはどうにも駄目だ。誰がどう見たってマトリックスレボリューションズのパクリだろ!と突っ込むだろう。日本のアニメなんだからその辺は拘って欲しかった。どうにも勿体ない。
 ただ、それだけすごいCGでもアドベントチルドレンの方がすごいんだよねー。なんなんだスクエニ。ああ、あれも話はアレだったけどさ。
 あと、映画史上初、あのプラダが二着衣装デザインしてるんだけど、もう少し上手く使って欲しかった。見せ方をもうちょっと考えた方が。話題作りの一つなんだしさ。

 さて、音楽の話。
 実はこの映画を観に行こうと思った理由が音楽で。今傾倒してる例の三人+日本で活躍するエレクトロニカ・テクノの主要な人たち(コーネリアスとかテイ・トウワとかレイ・ハラカミとかその辺ね)がスコアに参加しているというのでこれは観ざるを得ない、という流れになったのですな。サントラは事前に密林で送付して貰ってまして、これ単体でもかなり優れたオムニバス・アルバムじゃないかと思うんだけど。
 映画では、事前に「まぁこういう風に使うだろうな」という所にばかり使ってあって面白かったです。映画のサントラなんだからそういうものなんだろうけれど・・・それでもやっぱり、作曲家が違えば曲も変わるわけで。テクノっぽい尖った音の曲が映画に挿入されて違和感がほとんど無かったっていうのはよかったなと。舞台も未来都市ってことでテーマと合致していたということか。逆に、僕の買ったアルバムに入っていない(豪華版の方に入っている)映画用のサウンドトラック(オリジナルスコアとクレジットされている)の方は、本当によくある映画のサントラで、こちらのアルバムの曲と合致せず浮いていたかもしれないな、とか。先にCD聴いていたからかもしれないけどね。
 あと、五月のライブ以降、耳タコなほどリピートしていた主題歌、HASYMOの「RESCUE」だけど、映画の最初と最後をきちんと締めてくれました。映画館に繰り返し響く細野さんと幸宏の歌声。YMOに嵌った年に新曲まで聴けるなんてついてるなぁ僕。

 まぁ長々と書きましたが、期待以上でも以下でもなく。
 強くお勧めはしませんが興味が有ればどうぞ。マンガ版のファンは怒ってるかもしれんなぁ。
 でも、押井版よりはきっと原作に愛があると思うのよ。シロマサも喜んでるみたいで、よかったなぁと(作者ばかりが喜んでいた逆境ナインみたいなもんかね?) 
by kazasiro | 2007-10-27 19:04 | 雑記