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風猫通り三番地ニノ二十三

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路地裏っぽい人が屋根の間の空を見上げる場所。

カテゴリ:東方Project( 17 )

自分が想定している最近の東方の世界観をどう説明するか考えていたのだけど、ちょっと良い喩えを思いついたので書いてみます。本当はツイッターに書くつもりでしたが、長くなったのでこちらに。

幻想郷はPCのハードです。博麗霊夢はそこで走るOS、Windowsみたいな物。他のキャラクターはWindows上で走る様々なプログラム。Windowsもまたプログラムですが、他とは根本的に異なる。だから、霊夢と魔理沙は(同じ主役という立場であっても)自分的には同格ではありません。霊夢や博麗神社は(たとえある特定の作品で登場しないとしても)幻想郷の必要条件です。
生と死の構造はそれら以前から存在する理(ことわり)なので、まぁマシン語みたいなものと思ってください。映姫とかはこの辺に含まれる。(「龍が幻想郷の最高神」という設定は現段階でどこまで重要なのか、判断する材料が少ないので保留にします)
で、紫はWindows上で走るプログラムの想定されるべきルール(及びその意志)と定義します。東方的に言えば「人間は妖怪を退治し、妖怪は人間を襲う」ってやつ。喩え的に正確じゃないけど、MicrosoftのVBみたいなもんと思っていただければ。

そこへ、風・地・星の新三部作から、外の神様だの仏教の布教者だのがやってきました。上記の喩えに倣えば、JAVAとかGoogleみたいなものです。彼女たちは新しいテクノロジーで今までに無かった物を構築していきます。
それらは外部のルールだがWindows内でもほぼ同様に機能し、同時に新しい概念でPC内部の構成要素(キャラクター)の環境への考え方を書き換えていく訳です。

幻想郷の元のルールだった紫は、Macに於けるジョブズのようにそれらを拒絶することはなく、一応混在する状況を静観している。但し、これからも他者によって環境をリビルドされるのを見ているだけかどうか、というのは分からない・・・という感じ。これが今現在。

ZUN氏の中では紫はもはや役目の終わり始めたキャラクター(やがて魅魔(≒MS-DOS)とかと一緒になる)のかもしれないけど、終わるなら終わるでその没落をきちんと描いて欲しい(出来れば自分でも描きたい)というのが素直な心情というところ。
なぜ僕的に紫が重要だと思っているかはこのブログの以前のエントリに書いてあるのでそちらを参照してください。一言で言うなら、Win版東方で最重要なルール=魅せる弾幕が紫そのものだから、ってことです。



おまけ。
ここからはメタ的になりますが、このPCの使用者は東方を消費する人、つまり我々です。
外部のテクノロジーにより、より多機能で便利そうで、画面効果とかも見栄えの良くなったPCは、更に多くの使用者を呼ぶことになりました。もちろん既存の使用者である我々も様々な使い方を発明し、宣伝して使用仲間を増やしてきました。最近ではPC制作者の許可を得て周辺機器を作る会社(出版社)も出てきています。
でもまぁ、PC制作者もそろそろOSのヴァージョンアップしたいなーとか、新しいのを導入したいなーとか、あるいは飲み屋に転職したいななどなど、もしかしたら考えているのかも知れませんね。
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by kazasiro | 2010-10-04 00:58 | 東方Project
こういう人が出てくるんだな~。
地力が違う。面白すぎる。困ったもんだ。
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by kazasiro | 2009-10-24 03:33 | 東方Project
【Undefined Fantastic Object.】

 東方Projectの楽曲がYellow Magic Orchestra=YMOに多大な影響を受けているらしいという話が、最近になって結構いろんなところで語られ始めているみたいで。代表的なところでは「東風」と「千年幻想郷」かな。ZUN氏自らも「東方怪奇談」が最初に作ったゲームミュージックだったとおっしゃっているように(今更もう言うまでもないだろうけど、この曲はYMOの代表曲「ライディーン」を元に作られている)、神主様はどうやらごく普通のまっとうなDTMアマチュアとして作曲のキャリアを始められたみたいで。 MidiがJASRACの非道な弾圧によってその力を失う前、パソコンで自分の打ち込んだ曲を流すことに熱中した少年達の多くが最初にやったのは、シンセサイザーというものを実質的に日本に定着させたYMOの楽曲のトレースだったらしいから。今では考えられない話だけれども、90年代にはYMOのMidiデータをFDDに詰めて楽器店などが販売していたらしい・・・。

 んで、今日の上海アリス幻樂団の発表。
 副題がUFO。
 おやまぁ、真正面から。

 ディープなオタならよく知っている話だけど、YMOとUFOは結構繋がりが深い。 RydeenのPVでアダムスキー型円盤と交戦するメンバー。TechnopolisのPVで未来都市・TOKIOに舞い降りるUFO。三人の謎の宇宙人?がおかしな会話をする、世界初のハードコアテクノと評されたらしい名曲「U・T」などなど。
 これらを主導したのは間違いなく、YMOリーダーかつ、自他共に認めるUFOマニアの、細野晴臣。
 いうまでもなく日本のポップスを飛躍的にレベルアップさせた天才・・・なんだけれども、一方で民俗学やUFOなど怪奇現象にも造詣が深く、中沢新一などとも本を出したりしている。漫画も好きで、絵も上手い。作曲だけじゃなく、現在でも日本を代表するベーシストであり、また低音の声で渋く歌う。天はときおり気紛れに、二物どころか何物でも与えてしまうようですな。なんてこったい。
 また細野氏は、「ゲームミュージックのCD」というジャンルを創設した人間でもある。コンピュータゲームといえば、まだまだBEEP音ばかりだった頃にゼビウスなどナムコの音源をアレンジしてCDを出していた。SSTバンドもZUNTATAもコナミ矩形波倶楽部も無かった頃だというのに。先見の明ありすぎるというか。ゲーム業界にとっても生き神様だったりする。そういえばYMOのCDの一番最初の曲(1978年)も、「コンピュータゲーム~サーカスのテーマ」だった。
 で、最近、ZUN氏の民俗学への執着が、実は細野氏経由なんじゃないかな、という想像をしていたりする。ZUN氏が通る道筋に細野氏の影がちらつきすぎるのだ。例えば、ZUN氏が影響を受けたという「ダライアス外伝」はSTGでありながらアンビエント(環境音楽)という画期的なBGMで僕らを虜にしたけど、80年代後半から、世界の民族音楽経由で日本にアンビエントを紹介していたのが細野氏だった。
 ただ、ZUN氏は音楽的にはアンビエントやその後に電子音楽のムーブメントになっていったポストロック・エレクトロニカにはあまり影響を受けなかったようで。多分、YMOなどの初期シンセポップと同時に、日本の歌謡曲をガンガン聴いていたせいなのだろう。実家が喫茶店ということで、有線などが流れっぱなしだったのではないか?と邪推したりしている。これらが「どこかで聴いたことあるけど独特」という東方風な音楽の源流になったのではないかな。
 それはさておき。
 (多分)YMO・細野晴臣好きから音楽製作をスタートさせたはずのZUN氏の音楽は、今ではYMO以上に、というか日本一といえるぐらいカバーCDが作られるまでになってしまった。そのZUN氏が船を出し、再びUFO、いまだ未知なる自分の元体験へと舵を向ける。風神録以降のZUN氏の作品は、より個人的な領域への回帰だと僕は思っているのだけれど、今回の発表でもそれはずれていないような気がする。


【蓮というイコン、HASという音楽】

 東方Projectにこれまでもよくモチーフとして使われてきた「蓮」。
 秋霜玉で霊夢が待っていたのは蓮の花の咲く場所だった。
 曲だって「二色蓮花蝶」だった。名曲。懐かしいね。
 で今回、蓮は遂にタイトルに入った。
 蓮と言えば仏教での重要なアイテムだけど、実はYMOも蓮の曲を出している。「ロータスラブ」がそれ。余談になるけど、旧作「東方幻想郷」に全く同じタイトルの曲があったりする。曲の内容は違うけど、ZUN氏のYMOへの傾倒が見て取れるエピソードの一つだったり。
 話を戻して、この「ロータスラブ」、実は作詞も作曲もメインで歌っているのも細野晴臣だったりする。またあんたか。自重しろ天才。
 で、曲の内容が実に東方っぽいのだ。歌詞を書くとJASRACに怒られそうなのでやめておくけれど、せっかくなのでこの間このBlogで紹介したボーカロイドマスター「HMOとかの中の人」謹製、初音ミクカバーのいわゆる「HMOバージョン」を貼っておく。

 Youtube

 ニコニコ動画(推奨)

 聴いた? 聴いてよお勧めだから。
 なんかね、霊夢が幻想郷の中で手招きしているような、そんな歌詞に受け取れるのは僕だけかな。この世界の外=幻想郷ってことでしょう、きっと。
 すごく幻想を感じる歌だと思う。
 ・・・ところで、YMOは現在「HASYMO(ハシモ)」という別名で活動したりしなかったりしている。HASっていうのはHumanAudioSpongeの略で、まぁそういう別ユニットでちょっと活動して、それから面倒くさいのでHASとYMOを統合しちゃえということらしい(商標としての「YMO」を、契約上メンバーが自由に使えないということもあるんだってさ。商売って面倒くさいね)その辺はwikiでも見て貰えばいいとおもうんだけれど。
 ただ、年取って昔の確執もなくなって(特に細野と坂本龍一が仲悪かったらしい。僕はよくしらないけど)、それこそ古代蓮が咲くぐらいに世界の外までたどり着いたYMOって意味で、HASYMOなのかな、とも思ったりする。DVDのジャケットも蓮っぽいしね。枯れたとか音楽が古くさいとかいってHASYMOを嫌う古いYMOファンも多いみたいだけれど、僕は今の三人だってとても格好良いと思ってる。



 まぁなんだ、東方新作へのエントリと言うよりはYMOのエントリみたいになったけど。
 期待していますよいろいろと、神主様。
 あと音楽CDも楽しみにしてるので忘れないでー




【追補】参考CDリンク

ハリーホソノ&ワールドシャイネス「FLYING SAUCER 1947 」
 細野が2007年に発表したアルバム。1947年は細野の誕生年だが、同時にUFOマニアでは欠かすことの出来ない「ロズウェル事件」が起こった年でもある。このCDはUFOにまつわる曲を中心に、その頃のアメリカンな元風景を再現しようと全編カントリーミュージックで構成された愉快な一枚。公開時に細野が足繁く通ったという映画「未知との遭遇」のメインテーマもカントリー風に。愉快すぎ。

YMO「浮気なぼくら」
 前衛的だったそれまでの作風を一転、歌謡曲に「浮気」をして物議を醸しつつ大ヒットした後期YMOのアルバム。まぁYMOが物議を醸さなかったことなんてないのだが。「ロータスラブ」はこのアルバムに入っている。ちなみに最近「まりあほりっく」でカバーされて再度有名になった「君に、胸キュン。」の原曲も入っている。

サントラ「ダライアス外伝」
 「えーダライアスが一画面とかねーよww」といった前評判を覆し、今ではダライアスシリーズの白眉として語り継がれる傑作のCD。ボス戦とステージ面の曲が交互に掛かったり、女性が囁くようなボーカルを断続的に挿入したり、とにかく斬新。エンディング曲の切なさは最高。「メタルブラック」といい、当時のタイトーはいちいち神がかってましたな。


風城一希@TeamLink
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by kazasiro | 2009-02-26 19:58 | 東方Project
1500円で
今回もCDが付いていて
しかもそのうち3曲が三月精(白)と同じだった件orz
松倉版は公式に無かったことになったのか・・・
再販もないってことだよね。
雰囲気とか好きだったのになぁ。
白かったけど。

ヘタレなので儚月抄も三月精も雑誌購入を止めて
単行本待ちをしていたのに
今回の収録分がちょうど雑誌を買っていたところまでだったのもガックリだった
まぁ自分の間が悪いだけなんだけどね・・・。

しかし比良坂さんは安定して頑張ってるなぁ。
とても心地よいマンガです。

風城一希@TeamLink
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by kazasiro | 2009-02-25 22:52 | 東方Project
 本当はいろいろテンパっててこんなことやってる場合ではないのだけれど、また書いておかないと忘れるので。ブログの更新が一年後とか当たり前なので。一年あったら赤ん坊だって空飛ぶわな。多分。

       ☆

 今冬のコミケ・東方近辺は上海アリスも黄昏フロンティアもいないというのにメチャクチャな人出だった。僕は東方界隈ではそれほど主力でない二次創作ゲームの島に座っていたのだけれど、それにも関わらず、机が押し込まれるような渋滞が何度も発生した(勿論、僕の本が売れてたわけではない。ウチのスペースは万年閑古鳥である)。延々だらだらと二次創作に浸かってきた自分がいうことではないかもしれないけれど、昨今の上海アリス幻樂団の著作が、二次創作のためのパーツ取り対象となっていることを(暗にでも)認めない人はもはやいないだろう。一部で地霊殿はクソゲー呼ばわりされているみたいだし、どうにもならないと判断された原作に対して、勝手にパッチを作るのも珍しくなくなってきたらしい。ニコ動には禁止されたエンディング画像がたびたび上がる(そもそもリプレイ以外の動画配信は禁止のルールだった気がするが・・・)。
 今や東方は同人最大規模のジャンルである。プロダクトをどう捉えるかは千差万別だから、全員にオリジナルをレスペクトしろというのは難しいかもしれない。それでも、勝手な解釈をつけて二次創作を楽しみつつ、夏とか冬に出てくる総本山の新作を待つというサイクルは、漫画版「風の谷のナウシカ」で、土鬼の奥深くにある墓所で眠る「卵」と、そこに年に二度だけ浮かび上がる文字、それを勝手に解釈して異形の技術を世界にばらまく教団という構図を彷彿とさせてちょっと不気味だなぁと思う。知らない人はまぁ読んでよ。短いし傑作だから。単なるエコ宗教物の映画版より100倍面白いよ。

 まぁそれはさておき。
 ただ・・・現在二次創作を享受している人(受け手も発信者も)は、原作、オリジナルが変質しつつあるのかもしれないという可能性について考えているんだろうか? それは完成度やゲームシステムがどうという細部の問題ではなく、ZUN氏の考える「東方」そのものの変遷である。ZUN氏とじっくり話したことなんてないから単なる妄想だろと突っ込まれれば反論できないけど、まぁ妄想なしに人間はないからねぇ。
 以下、東方の推移をごく簡単に思い出しながら、何故僕がそう考えるのか説明してみたいと思う。

 極めて受け手が限られていたPC98版はZUN氏の個人的な体験である。98版を以てゲーム会社の就職試験を受けに行ったという、界隈では有名な逸話(事実かどうか僕は確認していないけれど)もそうだが、ファイル共有ソフトでも使わない限りは遊べない(ニコ動なんかで見ることは可能だが)ということで、ZUN氏にとっては地続きでもWinの東方とは繋がらない。幸いにしてリアルタイムに遊べたファンにとってもまた、今では神話とも言えるだろう個人的な体験だろう。PC98という当時ですら終焉に差し掛かった環境のうえ、インターネットも今ほど身近ではなかった。体験の共有は、その場にいた者達だけとしか出来なかったのである。
 余談だが、僕が自宅でネットに初接続したのはドリキャスとisao.netのおかげだった。某文庫大賞に投稿して一次選考に受かった結果もドリキャスで知った。そのisaoがこの間ネット接続事業を終了してしまった。ありがとうセガ。ありがとうドリキャス。いまだに家にある最新のゲーム機はドリキャスです。

 そんなわけで。
 東方が爆発的に普及するのはWinの紅魔郷以降だった。
 実際僕も最初にやったのは紅魔郷の体験版である。2002年の夏頃だ。Midiで聴いた上海紅茶館が本当に衝撃だった。
 ところで、オタクっぽい業界には変なジンクスがある。
 曰く「吸血鬼ものは当たる」というものだ。
 当時は怪物同人ソフトとして月姫が既にヒットを飛ばしていた。ニトロプラスのヴェドゴニアももう発売されてなかったっけ?
 東方紅魔郷は無国籍調だった旧シリーズを引き継ぎ、狙ったのかどうかは定かではないけれど、霊夢&魔理沙の相手は幼い吸血鬼姉妹になった。結果的にこれがバカ受けした。現在の二次創作界隈の中で紅魔郷のキャラクターがどれだけ贔屓されているかは改めて例示するまでもないだろう。僕自身、紅魔郷の二次創作でここにいるようなものだし。
 ついで、妖々夢。
 多分、ZUN氏の本来の趣味であろう、極めて日本的な情緒をふんだんに盛り込みながら、無国籍のあやふやさを保ち、システムも遊ぶユーザーをかなり意識したものだった。妖々夢は早くから体験版が頒布され、数バージョンの中でシステムがどんどん洗練されていった(確か、最初は桜花結界も無かったはず)。そして、その後のシリーズの方向性を決定づける八雲紫というキャラクターを登場させた(紫が何故東方にとって重要なのかは、本ブログのエントリ「八雲紫が最強である理由」を参照されたし)。香霖堂もまだ始まっておらず、純粋に紅魔郷の続編として、少ない情報量ながら圧倒的な印象をユーザーに与えた。多くの人がそう思っているんじゃないかと期待するけれど、純粋に好き嫌いで選ぶのでなければ、ゲームシステム・キャラデザイン・背景等演出・弾幕のエポックメイキングさ、そして圧倒的な音楽も含め、東方Project最高傑作はこの妖々夢だと思う。

 次の永夜抄について、ZUN氏は「最初から三部作として考えていた」と話していることが確かあったはずだが(現にCD「蓬莱人形」でイメージの先鞭を付けている部分はある)、それにしてもかなり煮詰まっていたのが窺える。竹取伝説という、日本でもっともメジャーな説話を取り上げたが為に、その巨大なイメージを結構持て余していたのではないだろうか? またその頃は、切れ目なくイベントに参加してCDを頒布したり、他サークルの作品に参加したり、初めての連載である香霖堂が始まったりと、時間の余裕もあまり無かったのではないかと推察している。結局、永夜抄は「時間を止める」というプロットをゲームシステムにきちんと織り込むことが出来ず、いわば妥協の産物として現在の形に落ち着いたと、僕は考えている。物語も難解かつ不明瞭なもので、キャラクターも幻想郷の中では浮いてしまった。今考えると東方儚月抄の破綻は結局、永夜抄の構造それ自体に問題があったのではないかという疑問に行き着かざるを得ない気がする。この辺については、また別の時に改めて書きたい。

 ともあれ、上記の三部作を以て、縦STGは一旦休憩に入り、花映塚(これはこれでいいたいこともあるのだがとりあえず省略)と一年の休暇を挟んで、現在進行中の新シリーズに移行する訳だ。

 旧シリーズが、無国籍風な装いを纏って訪ねる者すべてに門戸開放していたのに対して、新シリーズ第一作の風神録は、いきなりこれまでの幻想郷のパワーバランスを大きく覆すキャラクターが登場する。実在の神社を元ネタにした神々である。風神録が始まる以前に始まった雑誌でのシリーズ連載や、設定本「東方求聞史紀」によってそれなりに新たな設定があらかじめ提供されていたにも関わらず、それらの意味を形骸化するようなキャラであった。現に、博麗大結界を無視されて彼女らに幻想郷進入を許した紫は、某所で土下座をするぐらいに重要度を奪われてしまった。ゲーム全体のイメージすら変えてしまうほどの大転換である。
 新シリーズ第二作の地霊殿で彼女(ら)は、アホな妖怪に八咫烏=太陽を与えてしまう。結局使いこなせないからあっても無駄だ、という風な適当なまとめで表現されているが、幻想郷に自らの太陽があるという設定は実は非常に重要である。
 幻想郷の中と外はお互いに影響し合っているというのが、これまでのシリーズに共通した設定だった。花映塚では外で(なんらかの原因で)人が死にまくった結果、幻想郷に花が無数に咲き誇ったという話だったし、永夜抄では外で月と地球が戦争をしていて、そのとばっちりが物語の遠因になった。
 ところが、風神録では神々は外の世界の信仰を見限り、神社ごと幻想郷に引っ越してくる。絶対的に(妖怪を合わせても)人口が少ないはずの幻想郷の方が、多くの信仰を集められると神が考えるのである。神は既に外の世界を見限っている。そして、外の人間には決して与えなかった太陽の力・・・外の世界の太陽に頼らなくても自律できる力を、さっさと与えてしまうのである。

 ご存じの通り、風の神々はZUN氏の故郷にある神社に祀られる神々である。
 Win第一次三部作で、茫洋としつつ不特定多数の日本人に共感しやすいイメージ(吸血鬼、桜、かぐや姫等々)と幻想郷を固定する「博麗大結界」を使うことによって、多くの者を自分の世界に導き入れたZUN氏。ところが、新シリーズになって一転、非常に個人的な視点で世界を構築し直している。風以降、難易度の調整がより難しくなっているのもきっとその結果だ。ある意味で、PC98版への回帰とも言えるだろう(風神録が封魔録に、地霊殿が靈異伝に対応しているのは示唆的である)。
 もしかしたら・・・もうZUN氏は今までの意味での幻想郷を必要としていないのかもしれない。幻想郷はある程度充分なくらいに構築された。これは慮るしか出来ないけれど、(飲んでる姿を公開できるぐらいには)年齢に伴って社会的な地位も確保しているだろうし、公私ともに、東方世界を分かち合える理解者も沢山獲得したことだろう。最近口にしている「居酒屋経営をしたい」という話が本格化すれば、すべてをほっぽり投げる可能性だってあるんじゃないのかな。
 また、これから先、たとえ趣味として東方Projectを作っていくとしても、別にプレスしてコミケで売る理由も無いはずである。宴会途中でコピーを友人100人ぐらいに配って感想を聞くということで、なんの問題も無いはずだから。その中には屈指のスコアラーも、今まで二次創作で幻想郷へ真摯に返答してきた人もいるのだろうし。それはそれでとても良いことだと思う。自分が与れないのは残念だけれど。

 とても乱暴に話を纏めたので、これを読んだ人は気分を害されるかもしれない。
 ただ、おおよその論旨を受け取っていただけるとありがたく思う。
 つまり、
 もう、幻想郷に外側はいらないのかもしれない。
 そういう危惧。
 幻想郷から遠ざかっていった外側はといえば、未だ終わらないお祭りが続くというのに。
 もはや何を祀っているのか解らないままに、終わらない祭り。
 ・・・優れた二次創作は、それ一つだけで立脚した作品であると同時に、一次創作への批評ともなるべきものである。そういったものを僕は生み出してこれなかったし、これだけ東方界隈が広がった中でも、目に入る範囲でそういった作品はとても少ない気がする。もちろん、二次創作で自分の作品に打ち込んでいる友人もいるので、彼らにはこれからも頑張って欲しいと思っている。でもそれはきっと、東方それ自体とはあまり関係のない次元のことなのだ、多分。

 願わくば。
 上記の文章が、アホによる妄想の垂れ流しで終わるように。
 次にZUN氏が発表する作品が、幻想郷への道をさらに閉ざしてしまうような内容でないといいな、と思っています。ちょっとだけ。
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by kazasiro | 2009-02-20 21:08 | 東方Project
生きてました。残念ながら。

ところで、検索しても見当たらない(だれか書いていたらごめん)んで自分で書くんだけども。
東方と清水文化のライトノベル「気象精霊記」に類似点が多いのに気付いた。

以下、気象精霊記より
・主人公が巫女(の格好だけだけど)
・主人公の姓がヤクモ
・基本的にメインキャラは女の子ばかり(男も出るけど)
・基本、「霊光弾」という弾幕による空中戦(物語後半になるにつれて格闘戦も増える)
・戦闘にルールがある。基本的に戦闘で人は死なない。
・基本、酒。物語の随所で宴会だらけ
・話の骨格が理系
・無国籍なのに世界中の神話を元にしたキャラクターが登場(ある意味でメガテン的世界観)
・妖精界や天上界といった、架空世界の連なりが最近の幻想郷の構成に似ている
・現実世界と架空世界が互いに影響し合っている。メインキャラクターは死なないものの、人間の死は世界の重要な要素としてガンガン表現される
・ギャグとシリアスのバランスも似ている

ただし、東方のような日本民俗学的世界観は存在しない。
主人公達は地球の気象を制御するという職務にほぼ自覚的に前向きに取り組む公務員であり、幻想郷のように無目的・場当たり的にキャラクターは配置されていない。
・・・やっぱ参考にしてるのかなー。刊行開始平成9年だしなぁ。
主人公が教条的に生真面目なのが鼻につくけど、面白いよこのシリーズ。
最近のラノベにはない大きなスケールの物語です。途中までしかなくても読む価値有り。
途中までしかなくてもな・・・orz
東方でSS書いてる人はなにかと参考になるかもしれんよ?

あと、挿絵担当の中の人はいろいろ自重しようや・・・C75の出し物とかさぁ。


ところで例大祭で東方紅月談の再販やります。詳しくはHPで。
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by kazasiro | 2009-02-19 23:02 | 東方Project
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 昨日あんなことを書いたのがまずかったのかどうにも気になって半年ぶりぐらいに岡山のメロン屋さんにお出かけしたらいろいろ発見してしまって散財することに。おかげさまでアンニュイ赤蛸さんの総集編も残り一冊だったけど買えたよ! つーか総集編大杉。別の場所でFLIPFLOPSさんの総集編も見つけたけど収録されてる本全部持ってるから(あと持ち合わせなかったから)見送りました。まぁ5年もやってれば総集編も作れる罠。あと全く知らなかったんだけど鳴海柚来さんも東方に復帰されてたんですね。よかったよかった。ところでいつか絶対に買うつもりだった狐夢想屋さんの恋色マジックオーケストラ、帰ってからずっとリピートしてます。デモ版も聴いてたけどやっぱこれ最高やー!たまらん。ほんとこういうの聴きたかったんだ。これからウォークマンに移して愛聴する予定。単にYMO風にアレンジしただけでなくて、予想以上に一つの作品としてまとまっている感じがします。中国娘~レッド・ピエロのちょっと悲しげな曲調がいいのかしら。GJGJ。しかし散財した分きりつめないとなぁ・・・。関係ないところでFLCLのサントラ(といいつつ現実的にはthe pillowsのベスト)も買ってしまったし。
 そういえば今日はついでにこちらも久しぶりですがゲーセンに行ってしまいました。ゲーセンからビデオゲームが駆逐されほとんど三国志大戦場と化す中で、ビデオばかりのいつもの雰囲気のゲーセンですが。ようやくデススマイルズも遊んだよ。結構面白いし、簡単なルートを選べばするするっとラスト付近まで行けたのでぬるい自分向けだなと思いました。でも、CAVEゲーにいうことじゃないんだろうけど、処理落ちはそろそろ何とかして欲しいなぁ。処理落ちでゆっくりなったところを避けられてもあまり嬉しくないというか。あと、せっかく左右に打ち分けられるシステムなのに、ボスは全部右から来るのね(違うのもあるのかな)。



昼間のBGM
Cornelius / Sensuous
・・・最初にこれを聴いたのはまずかったかもしれんorz
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by kazasiro | 2008-06-17 23:03 | 東方Project
 もはや東方同人に関しては単一サークルの連続購読を諦めている今日この頃ですが、ほぼ唯一新刊を購入しているのがアンニュイ赤蛸さんの同人誌。難しいことを考えずに楽しんで読ませていただいております。毎度毎度気のぬけっぷりが面白い。むしろ回を追うごとに磨きが掛かってる?今回の風神録本「神様はお客様です。」も先ほど第二版が届きました。堪能しました。早苗さんのブチ切れ気味がおいしゅうございました・・・で総集編は買えなかったよド畜生。しかし例大祭でもし退出時に計量所があったら、僕の鞄が一番軽かった自信があるぜぜぜ。片手で薬缶体操(byアーノルドシュワルツェネッガー)出来るぜきっと。1人でスペースにずっと座ってたし、終盤回っても異常な人手でどこもかしこもほとんど何もない状況(そのうえ例の午後二時半入場ときたもんだ)。本の捌け具合では本当に何もなくなった伝説の第一回例大祭を想起させる物がありましたな。会場作成のコピー誌ですら列が出来てたりしたのはあれ以来見たこと無いけどさ。

追記 読む人も少ないうらぶれたブログとはいえ気になったのでタイトルネタは止めました。なんのことか解らない人は永遠にそのままでお願いします。


 
 今日の午後のBGM
 Pretty Maids / Jump The Gun
 80'sの終わり頃万歳。
 俺はその頃既にディープなオタクでしたよ。ドロヌマー 
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by kazasiro | 2008-06-16 22:07 | 東方Project
 緋想天の曲が良い。具体的にはあきやまうに(U2)氏のBGMが最高である。萃夢想で評判の良い「砕月」を聴いた頃から只者ではないと思っていたが、今回のBGMはさらにパワーアップしていて感動ものだ。僕が注目するのは以下の点。

1.主題を外さない
2.ZUN氏の世界観に寄り添う
3.あくまでもゲームBGMである

1.に関しては萃夢想でもそうだったが、オープニングの「萃夢想」からエンディングの「東方萃夢想」まで同一の主題が編曲され使われている。今回もその手法が使われ、さらに徹底されている(ほとんどの曲でその主題が使われている)。でもその繰り返しが「緋想天」という世界を如実に表しているのは明白だ。特に、ラスボスいっこ手前の会話BGM「雲外蒼天」が、萃夢想でいうところの「戦迅」と同じタイプの高揚する曲なのに対して、ラスボスの会話BGM「天衣無縫」が、いままで繰り返されたテーマを昇華した上ですべてを空へ返す開放感に溢れているのがとても心地よい。それも、BGMの出だしのメインがブラス、中盤のラインがピアノという、ZUN氏の曲の特色を完全に踏襲した作りになっているのだから泣かせる。で、エンディングテーマでとどめ。このように一貫した主題が最後までゲームのイメージを貫き、ゲーム全体を昇華していると思うのだ。同じ主題が二度三度繰り返されれば嫌なくどさを感じてもおかしくないと思うのだが、場面に応じて手管を変えてアレンジしてあってそれもあまり感じない。お見事としか言いようがない。
 一つ言っておきたいのが、本家では聴かない弦楽器の使い方。前作でもそうだったが、この流れるような調べが「黄昏フロンティアの幻想郷」を強く主張している気がして面白い。今回エンディングにクレジットされた奏者さんを含め、その強い意志に拍手。

2.は、これが黄昏フロンティアさんのゲームでありながら、ZUN氏の世界観をお客様として大切にしている感じが伺えると思うからだ。先ほど挙げた「天衣無縫」が流れるシーンを想起して欲しい。前作の萃夢想では、曲コメントであきやま氏が書かれている通り、「砕月」とその後の「御伽の国の鬼ヶ島」で少々雰囲気が繋がらない感があった。今回はそれを反省したのか、上記のようにZUN氏レスペクトを遵守しつつも独自の雰囲気を生み出している。確認は出来ないけれど、今回はZUN氏の「有頂天変」を確認吟味した後で「天衣無縫」を作ったのではないか。そんな気がしている。振り返れば、総本山のBGMに会話のためのBGMというのはさほど多くない(花映塚に二曲ほどあるが、それ以外だと旧作等を探さなければならないだろう)。はっきりいって、霊夢等のキャラの立ち絵が出て会話をしていれば普通の受け手であればそこまでBGMに気を遣わないだろう。そこを踏み込んで毎回創作で東方世界を広げようとする黄昏さんの踏み込み方は良いと思う。今回はついにVSシーンの曲もオリジナルになったが、個人的には既存の東方曲のアレンジよりも好きだ。ある意味誤解を恐れずに言えば、曲の内容という次元ではないところでアレンジはオリジナルを超えられない。緋想天のために書き下ろされた曲はそこで独自の輝きを放つだろう。まごうことなき東方世界の一部として、ずっと。それもこれもZUN氏の世界への尊敬(それを元にした挑戦)無くしてはありえないものだ。

3.について。格闘ゲームを昔からやっている人は同感してくれるのではないかと思うのだけれど、同じ場面で同じ曲ばかり聴いて対戦しているとかなり飽きてくるのが普通だと思う。ただ、曲の流れに沿ってテンポをつかむSTGなどと違い、格ゲーにとってのBGMはより添え物的になる(ゲーム感覚的にいえばBGMよりも当たった感触を確かめるためのSEの方が重要なのではないかと思う)。重要でないという訳では勿論無く、控えめでありながらそこにずっと居て欲しいという微妙なニュアンスだ。例えば、サムスピに三味線だけの曲がある(橘右京のBGMだった筈)。GMとしては異質であり冒険だったと思うのだけど、ゲーム的にはかなり効果的だった。そこになくてはならない存在になるということ。振り返って緋想天では、ストーリーから解き放たれたゲームが対戦ツールになるとき、それは真剣な遊び=弾幕ごっこという東方本来の姿の一つを取り戻す。ここで緋想天オリジナルの曲に加え、過去の東方ミュージックから過不足無い(主張しすぎない、でも過去作をありありと想起させる)アレンジ曲が繰り出されれば、対戦者としても意気揚々と遊び奉ることが出来るだろう。この辺りのバランス感覚がいい。勿論アリスの曲にある遊び心、萃香の曲にあるサービス精神などにはニヤリとさせられる。追記すれば、アレンジの中では個人的に小町の曲が大好きである。今はもう懐かしい名作アレンジCD「Cradle」のルーネイトエルフのアレンジを想起させる、大河の流れと陽気な死神を思わせる名アレンジである。

 音楽に関してど素人のために安直な感想になってしまったけれど、以上が現時点での緋想天のBGMに思うことなのである。書き残したこともあるがこの辺で。本稿ではZUN氏の曲について語っていないけれど、ある意味で東方ProjectにZUN氏の曲が流れることは人間が呼吸をし、霊夢が空を飛ぶのと同じくらい当たり前のことなので(笑)。僕としては、黄昏フロンティアだけでなく、「東方を意識したオリジナル楽曲」を生み出してくれる音楽サークルさんがたくさん出てくれることを願っている。自分の意志と視点で幻想郷をもっと広げて欲しい。また、もしそういうのを知ってる人がいればまた、教えてくれれば嬉しいかなと。いろいろ難しいだろうけど。で、ゆくゆくはそのサークルさんたちの曲を使ってZUN氏がSTG作ったら面白いと思うんだけど。勿論ZUN氏の曲があきたとかどうこうということではなくて(そもそもZUN氏の曲を聴かなければこれほど音楽についてどうこう考えることは無かったわけだし)、たとえ他人が作った物でもZUN氏が選べばそれが(そこが)東方に、幻想郷になるんじゃないかという気がしているので。特に最近。もしかしたらそれが、けっこういろいろ健全なことなんじゃないのかなぁ。




BGM 
黄昏フロンティア&上海アリス幻樂団/東方緋想天~Scarlet Weather Rhapsody.

このゲーム、しこたまサイキックフォースをやりこんだ自分にとって
あれこれ感涙なんだなぁこれが。あとサイバーボッツとかも。
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by kazasiro | 2008-06-11 21:14 | 東方Project
http://members6.tsukaeru.net/nasuyoiti/gya/kae_duka.html
(コピペしてね)

まぁ無限旋律さんで紹介されてるから東方界隈じゃ有名なんだろうけど。
ものすげぇ労力掛かってそうです。
まさに職人芸。
単にパロじゃなく、東方的なお遊びも効いていてOKOK。
そうか、そろそろ三月精の時代がくるか?(来ないだろうな)

11月終わりに撤去らしいのでお早めにどうぞ。
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by kazasiro | 2007-11-12 19:49 | 東方Project