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風猫通り三番地ニノ二十三

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路地裏っぽい人が屋根の間の空を見上げる場所。

東方星蓮船と、UFOと、細野晴臣

【Undefined Fantastic Object.】

 東方Projectの楽曲がYellow Magic Orchestra=YMOに多大な影響を受けているらしいという話が、最近になって結構いろんなところで語られ始めているみたいで。代表的なところでは「東風」と「千年幻想郷」かな。ZUN氏自らも「東方怪奇談」が最初に作ったゲームミュージックだったとおっしゃっているように(今更もう言うまでもないだろうけど、この曲はYMOの代表曲「ライディーン」を元に作られている)、神主様はどうやらごく普通のまっとうなDTMアマチュアとして作曲のキャリアを始められたみたいで。 MidiがJASRACの非道な弾圧によってその力を失う前、パソコンで自分の打ち込んだ曲を流すことに熱中した少年達の多くが最初にやったのは、シンセサイザーというものを実質的に日本に定着させたYMOの楽曲のトレースだったらしいから。今では考えられない話だけれども、90年代にはYMOのMidiデータをFDDに詰めて楽器店などが販売していたらしい・・・。

 んで、今日の上海アリス幻樂団の発表。
 副題がUFO。
 おやまぁ、真正面から。

 ディープなオタならよく知っている話だけど、YMOとUFOは結構繋がりが深い。 RydeenのPVでアダムスキー型円盤と交戦するメンバー。TechnopolisのPVで未来都市・TOKIOに舞い降りるUFO。三人の謎の宇宙人?がおかしな会話をする、世界初のハードコアテクノと評されたらしい名曲「U・T」などなど。
 これらを主導したのは間違いなく、YMOリーダーかつ、自他共に認めるUFOマニアの、細野晴臣。
 いうまでもなく日本のポップスを飛躍的にレベルアップさせた天才・・・なんだけれども、一方で民俗学やUFOなど怪奇現象にも造詣が深く、中沢新一などとも本を出したりしている。漫画も好きで、絵も上手い。作曲だけじゃなく、現在でも日本を代表するベーシストであり、また低音の声で渋く歌う。天はときおり気紛れに、二物どころか何物でも与えてしまうようですな。なんてこったい。
 また細野氏は、「ゲームミュージックのCD」というジャンルを創設した人間でもある。コンピュータゲームといえば、まだまだBEEP音ばかりだった頃にゼビウスなどナムコの音源をアレンジしてCDを出していた。SSTバンドもZUNTATAもコナミ矩形波倶楽部も無かった頃だというのに。先見の明ありすぎるというか。ゲーム業界にとっても生き神様だったりする。そういえばYMOのCDの一番最初の曲(1978年)も、「コンピュータゲーム~サーカスのテーマ」だった。
 で、最近、ZUN氏の民俗学への執着が、実は細野氏経由なんじゃないかな、という想像をしていたりする。ZUN氏が通る道筋に細野氏の影がちらつきすぎるのだ。例えば、ZUN氏が影響を受けたという「ダライアス外伝」はSTGでありながらアンビエント(環境音楽)という画期的なBGMで僕らを虜にしたけど、80年代後半から、世界の民族音楽経由で日本にアンビエントを紹介していたのが細野氏だった。
 ただ、ZUN氏は音楽的にはアンビエントやその後に電子音楽のムーブメントになっていったポストロック・エレクトロニカにはあまり影響を受けなかったようで。多分、YMOなどの初期シンセポップと同時に、日本の歌謡曲をガンガン聴いていたせいなのだろう。実家が喫茶店ということで、有線などが流れっぱなしだったのではないか?と邪推したりしている。これらが「どこかで聴いたことあるけど独特」という東方風な音楽の源流になったのではないかな。
 それはさておき。
 (多分)YMO・細野晴臣好きから音楽製作をスタートさせたはずのZUN氏の音楽は、今ではYMO以上に、というか日本一といえるぐらいカバーCDが作られるまでになってしまった。そのZUN氏が船を出し、再びUFO、いまだ未知なる自分の元体験へと舵を向ける。風神録以降のZUN氏の作品は、より個人的な領域への回帰だと僕は思っているのだけれど、今回の発表でもそれはずれていないような気がする。


【蓮というイコン、HASという音楽】

 東方Projectにこれまでもよくモチーフとして使われてきた「蓮」。
 秋霜玉で霊夢が待っていたのは蓮の花の咲く場所だった。
 曲だって「二色蓮花蝶」だった。名曲。懐かしいね。
 で今回、蓮は遂にタイトルに入った。
 蓮と言えば仏教での重要なアイテムだけど、実はYMOも蓮の曲を出している。「ロータスラブ」がそれ。余談になるけど、旧作「東方幻想郷」に全く同じタイトルの曲があったりする。曲の内容は違うけど、ZUN氏のYMOへの傾倒が見て取れるエピソードの一つだったり。
 話を戻して、この「ロータスラブ」、実は作詞も作曲もメインで歌っているのも細野晴臣だったりする。またあんたか。自重しろ天才。
 で、曲の内容が実に東方っぽいのだ。歌詞を書くとJASRACに怒られそうなのでやめておくけれど、せっかくなのでこの間このBlogで紹介したボーカロイドマスター「HMOとかの中の人」謹製、初音ミクカバーのいわゆる「HMOバージョン」を貼っておく。

 Youtube

 ニコニコ動画(推奨)

 聴いた? 聴いてよお勧めだから。
 なんかね、霊夢が幻想郷の中で手招きしているような、そんな歌詞に受け取れるのは僕だけかな。この世界の外=幻想郷ってことでしょう、きっと。
 すごく幻想を感じる歌だと思う。
 ・・・ところで、YMOは現在「HASYMO(ハシモ)」という別名で活動したりしなかったりしている。HASっていうのはHumanAudioSpongeの略で、まぁそういう別ユニットでちょっと活動して、それから面倒くさいのでHASとYMOを統合しちゃえということらしい(商標としての「YMO」を、契約上メンバーが自由に使えないということもあるんだってさ。商売って面倒くさいね)その辺はwikiでも見て貰えばいいとおもうんだけれど。
 ただ、年取って昔の確執もなくなって(特に細野と坂本龍一が仲悪かったらしい。僕はよくしらないけど)、それこそ古代蓮が咲くぐらいに世界の外までたどり着いたYMOって意味で、HASYMOなのかな、とも思ったりする。DVDのジャケットも蓮っぽいしね。枯れたとか音楽が古くさいとかいってHASYMOを嫌う古いYMOファンも多いみたいだけれど、僕は今の三人だってとても格好良いと思ってる。



 まぁなんだ、東方新作へのエントリと言うよりはYMOのエントリみたいになったけど。
 期待していますよいろいろと、神主様。
 あと音楽CDも楽しみにしてるので忘れないでー




【追補】参考CDリンク

ハリーホソノ&ワールドシャイネス「FLYING SAUCER 1947 」
 細野が2007年に発表したアルバム。1947年は細野の誕生年だが、同時にUFOマニアでは欠かすことの出来ない「ロズウェル事件」が起こった年でもある。このCDはUFOにまつわる曲を中心に、その頃のアメリカンな元風景を再現しようと全編カントリーミュージックで構成された愉快な一枚。公開時に細野が足繁く通ったという映画「未知との遭遇」のメインテーマもカントリー風に。愉快すぎ。

YMO「浮気なぼくら」
 前衛的だったそれまでの作風を一転、歌謡曲に「浮気」をして物議を醸しつつ大ヒットした後期YMOのアルバム。まぁYMOが物議を醸さなかったことなんてないのだが。「ロータスラブ」はこのアルバムに入っている。ちなみに最近「まりあほりっく」でカバーされて再度有名になった「君に、胸キュン。」の原曲も入っている。

サントラ「ダライアス外伝」
 「えーダライアスが一画面とかねーよww」といった前評判を覆し、今ではダライアスシリーズの白眉として語り継がれる傑作のCD。ボス戦とステージ面の曲が交互に掛かったり、女性が囁くようなボーカルを断続的に挿入したり、とにかく斬新。エンディング曲の切なさは最高。「メタルブラック」といい、当時のタイトーはいちいち神がかってましたな。


風城一希@TeamLink
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by kazasiro | 2009-02-26 19:58 | 東方Project